ドイツのニュース(8月23日)と比較しての日本のニュース(テレビ) 国内空気の忖度・操作に終始するツッコミのいないボケ垂れ流しの巻

ここ数年の傾向だと思いますが、このところ日本のテレビニュースを見ていて、広報よろしく政府の宣伝を流したりしていてたまげる機会が増えました。テレビは料理をするときにみるくらいなので週の半分くらい、それぞれ1時間くらいしか見ませんが、アホらしいものが多くてびっくりする。NHKは深夜はいいドキュメンタリーなどもやっているがゴールデンタイムのニュースが官報よろしく報道でげんなり。コロナに関しても、感染者数は、ワクチン接種率は、みたいなのを毎日垂れ流すのみ。「煽る」にせよ「安心」させるにせよ、空気作りしかしていない。各国の動向との比較なども重要なはずが、少なくともテレビではじっくりそういう報道を見る機会はなさそう。

Youtubeなどの番組で英語メディアの情報はちょいちょい紹介されているように思いますが、ドイツものはあまりなさそうなので、自分用のメモも兼ねて、ドイチュヴェレのドイツ語学習者向けのトップニュースを紹介していきたいと思います。

 

全部律儀に訳したりするのは退屈になりそうなので、ざっと紹介して、勝手にコメントを挟む形です。今日は、日本のテレビニュースを見て腹が立っているので、それと合わせて紹介です。

 

今日紹介する放送 2021年8月23日(月曜)

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トップ:アフガン警備隊員、カブール空港の戦闘で死亡

アフガニスタン、カブールの空港でアフガニスタンの警備隊が正体不明集団に襲撃され、アメリカ軍およびドイツ軍が銃撃に加わった。警備隊の一人が死亡、ドイツ軍のtwitterで警備隊には怪我人がさらに出ている模様。

 

このニュースでは国際的事件がトップに持ってこられることが多いです。日本はオリンピック期間とか特に異常でオリンピックがトップで国内のコロナが付け足し、国際ニュースなしみたいな構成で、テレビしか見ていなかったら、情報鎖国状態。日本に長くいるドイツ人が言うところでは、日本のテレビニュースは国内テーマに閉じていて異様な感じがするとのこと。

 

あと大きな違いは風刺番組の存在。日本でいうnhk的なzdfでは主に政治家を風刺するコメディショーがずっとやっていて、メルケルなどを茶化しまくっている。youtubeでも上がっている。これは緑の党を茶化している。

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日本だったら、アベノマスクとかはアベマリオとかと絡めてかなりのネタになりそうだが、テレビでは風刺は無理らしい。菅の一連の「安心・安全」「総合的・俯瞰的」「全集中の呼吸」なども編集したら、結構面白くなりそうだが、テレビでやったら粛清されるのだろう。

今日は「酸素ステーション」が稼動しましたみたいな報道を見たが、130床で医師3人、在宅療養者40000の数と比べたら、ほとんどチンカス(失礼!)みたいな規模で笑止千万。小池ですら人の数(医師3人で24時間体制・・・)が問題って言ってて、菅の「やってる感」演出以外の何物でもないんだから、真面目ヅラで垂れ流してないでツッコメよボケ、と思います。

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youtubeだとこういうバカな報道などは「ヒルカラナンデス」が色々ネタにしていて面白いが、長い。各放送局は彼らに金払って毎日10分間ニュースの後に突っ込んでもらってください。

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話がだいぶそれたが、ドイツのニュースでは次もアフガン関係(アフガン人の「退避ミッション」のためのアメリカ軍投入の延長について)、その次もアフガン関係(アフガン撤退をめぐるバイデンの戦略への不支持が広がっている件)。

その次にニュージーランドがロックダウン延長した件。ニュージーランドはいわゆる「ゼロコロナ政策」(コロナウイルス撲滅ではなく、市中・域内からの締め出しを行う)の代表で、島国ということもあってヨーロッパなどとは対照的な国。これまでほぼ「ゼロコロナ」に成功している。日本などは、一緒の政策をとる必然性はないにしても、水際対策など大いに参考にできるはずの国だが、寡聞にしてテレビでは見たことがない。

 

政府が無能、政権運営しか考えていない、ということをテレビが報道していないのは本当に大罪だと思いマス!

 

ドイツのニュースでもスポーツは流れて、そこだけはやはりトーンが和らぐが、あくまでオマケ扱い。日本のテレビニュースでは「さてスポーツです」みたいな感じでアナウンサーが爽やかに乗り出してくるのがマジで気分が悪い。一応政権の問題点なども紹介はしてますよ的なパートが終わって、批判的役割を心から放棄して構わないことからくるであろうあの明るい笑顔! それだったらスポーツパートは全部松岡修造でオーケー牧場。

 

ということで、また書いていきたいと思います。

ちなみに私はvideonewsを推奨しています。

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日本のニュースが空気作りに終始していることは山本七平『空気の研究』の知見をもとに分析できるはず。『空気の研究』的な知見は今回のコロナ敗戦の分析に当たっても重要なはず。しかし、ベストセラーになっているはずなのに、いまだに浸透していない感じなのは何故なのか。